速報:ADRENALINE25.12.1 FSR RedStoneついに実装! その性能を見ていく

まずはまとめていきます。

ついに12月10日、AMDがかねてより宣言していた新技術、RedStoneをリリースしました。
これはADRENALINE25.12.1で追加された新機能になります。

これが今回のADRENALINE25.12.1のリリースノートです。

で、今回のそのRedStone、はたしてどんな感じだったのか、先出し結論はこんな感じです。

では、なんでこんな感じなのか。
そもそもRedStoneとは何なのか、紐解いていきましょう。

RedStoneとは

そもそもRedStoneはRDNA4上で機能する機械学習を用いたゲームテクノロジーのセットです。

これが各FSRの違いになりますが、今回のRedStoneはML、即ち機械学習ベースのアップスケーリング、フレーム生成、レイ再生成、大域照明の四項目で成り立っています。

ちなみにアップスケーリングが旧FSR4に相当します。
そのこともあり

AMDの公式ページではFSR4の名前が消えて、FSR RedStoneに切り替わっています。
しかし、現状これだけ旧FSR4対応ソフトがある中でも、AMDが公式に機械学習によるフレーム生成をサポートしているのは以下のタイトルに限られます。

数自体は非常に少ない、といえます。

一応AMDは機械学習によるFPS向上は

これくらい結果が変わる、と謳っています。

ちなみにレイ再生成と大域照明についてはまだ実験段階で、投入しているソフトは次回以降に持ち越しです。

設定方法

まずこのRedStoneを使用するためにはADRENALINE25.12.1をインストールしておく必要があります。

ADRENALINE25.12.1をインストールすると各ゲームの設定画面がこのようになります。

このように「FSRアップスケーリング」と「FSRフレーム生成」という項目が新たに追加されます。

ただしこれが正常に起動するためには条件があります。
まずFSRアップスケーリング。

ちょっと細かくて申し訳ないですが、英語でヘルプ文で「FSR3.1対応じゃないと使えない」と書いてあります。
つまりこれは今までのFSR4の上書きシステムと一緒です。

実際これを

このようにオフにすると

FSR4.0がサイパンの項目から消えるわけです。
ここは今までのFSR4と変わらないことがわかります。

続いて肝心のFSRフレーム生成。

これには英語で「FSR3.1.4以上」が条件と書いてあります。
それがないと起動しても無効化されるようになってるんですね。

ちなみにこれはあくまでもFSRでの今回のML型フレーム生成のため、AFMF2とは訳が違いますので、そこだけは注意してください。
ここを起動してもAFMF2は起動しません。

で、これらを起動させた場合ですが、

起動成功だと、このように緑のチェックが付きます。
ただし起動するには一度ゲームの再起動が必要になるのでご注意ください。

一方、その条件を満たしていない、即ちFSR非搭載だったりFSRのバージョンが古い奴はどうなるか。

このように下に黄色のマークが付いて「FSRをアップデートしろ」と警告されます。

なのでこのシステムは規定のFSRが入っていない場合は使用がロックされるようになっている、というわけです。

ベンチ結果:サイバーパンク2077

では、実際のベンチ結果を見ていきましょう。
今回はわかりやすい事例として、ML対象にもなっている、サイパン2077のベンチモード、及び実プレーを計測しました。

なお、実を言うとこの間モニターを変えまして、HDR1400対応のmini LEDモニターに変わっています(今度レビュー予定)。
そのため前回の計測値とは違う結果になっているところもありますが、ご了承ください。

まずはベンチモードの結果からです。

まずはFPSですが、通常の場合だと誤差範囲です。
一方で今回のMLベースのフレーム生成の場合、FPSはレイトレありで2.6%、レイトレなしで3.7%の低下となります。
しかし、ここで注目するのはこのときの1%LOW。まったく落ちていないっていうのが大きな特徴です。
また、フレーム生成だけ単独で動かしたのが一番下ですが、流石にフレームレートは低すぎました。

VRAMに関してはMLフレーム生成が一番高かったです。
もっとも、今回通常時でも前回より5.4~7%の上昇となっているため、結構上昇幅自体がでかいです。
更にMLフレーム生成使うと3%上がりますので結構VRAM16GBだとギリギリです。

メモリに関してはML時がだいぶ少ないことがわかります。
VRAMに全振りしているからかもしれません。
一方で通常時にはかなり上がるのは多少気がかりですね。

CPU使用率も結構上がっていますが、ML起動時に一番高くなっていることから、機械学習処理がかなり挟まっていることを意味していると言えます。

全スレッドでもそれは同様で、機械学習はだいぶCPUもしっかりしてないと厳しそうです。

ここまで来ると、あまりFPS伸びてないな、というのが正直な感想なんですが、正直見た時に気になったのが、妙にカクつきがないんですよね。
そこで気になったのでフレームタイムもチェックしました。

数値としては微々たる差ですが、ML時はレイトレありの時に限ってですが、1%LOW、最大値が減少し、平均値が上がっています。
つまり体感差が少なくなっていることが、カクつきの少なさを体現した、とも言えそうです。

では、実際のゲーム上ではどうだったのか、ちょっとテストしてみました。

FPSの低下は2~3.5%とまぁまぁ見られますが、通常時もML時も1%LOWは変化がほとんどありません。

VRAMについてはベンチの時より減少していました。
また、このときMLではやはり通常時よりも多く出ることに代わりはありませんでしたが、そこまで差異がないことから、少しベンチモードが極端になっていたのかもしれません。

メモリも同様に低下しています。
なんと前回より37%近い減少幅です。
やはりベンチモードが極端に出てしまった結果、と言えるでしょう。

CPU使用率に関してはレイトレなしの時のほうが大きく出ました。
特にML時のレイトレなしだと結構カツカツであることがわかります。
CPU側がボトルネックになってくる可能性もあるかと思います。

全スレッドでも傾向としては同様です。
サイパン自体がレイトレありであることを前提として設定を動かしているという可能性も考えられるかもしれません。

まとめ

今回はサイパンのデータのみでしたが、暫定的に言えることはこれです。

これがとにかく大きな印象です。

今回の結果からでは、MLによるフレーム生成は最大FPSを下げる代わりに1%LOWを維持することで、プレイフィールを向上させるという形になっています。
このことから体験重視型という感じのフレーム生成という感じは否めず、期待していた爆発的なFPSの向上に関しては見られなかったのは残念です。

ただし逆を言えばこのシステムは、あくまでフレーム生成をドライバ単位で行うことからより洗練される可能性がある、ということです。
いずれ内部的なフレーム生成よりもドライバでのMLによるフレーム生成のほうが上回るという可能性も0ではありません。

また、現状ではMLに対応しているタイトル自体が少ないため、それに対する検証もあまりできていないこともあります。
どちらにせよ試作段階が強いこのRedStone、今後どうなっていくかAMDの動向を注視していく価値はあるかと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました