今回は前回も宣言したとおり、9070XTでのベンチマークを一気に色々とやっていこうと思います。
今回の測定はゲーム関連に絞った形ですね。

簡単な結論から言うと、最新ゲームの伸び率は桁外れ、ただし古いゲームにはちょっと弱い、って感じですね。
特にDirectX12での伸び率がすごいので、それは一見の価値ありますよ。
なお、クリエイト系のベンチマークについては前回のブログを御覧ください。
計測タイトルは7900XTXとの比較のため同じパターンです。
ADRENALINEは両方とも25.9.1で計測してあります。
また、参考記録としてモンハンワイルズも検証しました。
もっとも検証処理の時間の関係からチュパカブラ戦というえらいシンプルな形になったのがご容赦いただきたいです。
では、検証結果の公表です。
前回のおさらい結果1:サイパン2077ベンチ
まずはベンチマークソフトから。
しかしその前に前回計測したサイパン2077のベンチとアリスギアの結果のおさらいをさらっとやっていきます。

まずはサイパンのベンチマーク。
FPSはこうなっていました。
レイトレの伸びがホントにすごいです。

VRAMはこうなってました。
最適化がかなり進んでる感じです。

メモリ使用量はこうです。
何故かFSR4いれると一番低い値になりました。
前回のおさらい結果2:アリス・ギア・アイギス

続いてアリスギアのおさらい。
まずはFPS。
10%近い上昇幅と結構馬鹿にならない感じです。

VRAM使用量も10%ほど増加です。
その影響でFPSが上がったかもしれませんね。

メモリ使用量も増加してました。
これは17%ほど増加しています。
黒神話悟空ベンチマーク
さて、ここからは新しい話。
まずは黒神話悟空のベンチマークから。

FPSはパストレーシングの伸び具合がとんでもないことになってます。
まさか67%も上昇するとは思いませんでした。
また、レイトレなしでも6.8%も伸びており、結構順当に強化されている感じです。
結果レイトレ有無での比率が7900XTXのときには3.8倍以上あったものが、9070XTになると2.5倍まで落ち着く結果となりました。

VRAM使用量はレイトレあり、なしともに増加となりました。
しかしレイトレありはほぼ誤差に対して、レイトレなしだと最大6.6%、平均8.7%の上昇となっています。
ひょっとしたらこの伸びがFPSの上昇につながったのかもしれません。

メモリ使用量も増加しました。
レイトレなしだと誤差ですが、レイトレありだと10%近く伸びています。
レイトレの結果によってだいぶ差が出たなという感じです。
NVIDIAとみっちりくっついてるこのゲームでまさかこんな数値が出るとは思いませんでした。
レイトレの強化能力は本物と認めざるを得ませんね。
FF14ベンチマーク
いくら性能強化がなされているとはいえDirectX11なのでどうなるのか気になるところですね。

FPSは実に16%も低下しました。
効率化が計られてるRDNA4だと、効率化が活かしきれず、どうしてもこのAPIに対してはパワーで押される形です。

一方でVRAM使用量も9~10%の低下です。
8GB台に収まっているのは正直かなりやるなと思いました。
もっともこれがFPSに影響した可能性は高いと思います。

メモリ使用量は誤差範囲内です。

スコアに関してはFPSが下がったために17.5%の低下となりました。

レポート上のFPSも平均16%、最小は26%も低下しています。
と、このように大幅に低下しました。
要因として考えられるのはDirectX11の構造です。
DirectX11は12と異なり、CPU依存度がめちゃくちゃ高いです。
更にはRDNA4はとにかく効率を重視する傾向があります。
その結果GPUの性能をフルに発揮できず、FPSが落ちたと考えられます。
これに関しては今後のADRENALINEの改善を待つしかなさそうですね。
FF15ベンチマーク
こちらはより古い形のDirectX11のベンチです。
これはどれほどの低下になったのでしょうか。

FPSは14ベンチほど落ちませんでした。
しかしそれでも9%近い落ち込みとなっており、低下は否めません。

VRAM使用量も低下しており、6%ほど低下しています。
効率重視の波がここにも来ている感じです。

メモリ使用量は1%ほどの上昇となりました。
しかし数値だけ見るとさほど変わった感じではないですね。

スコアについてはFPSの低下もあって800ほど落ちています。
やはりこれも低下しました。
全体的に9070XTに関しては現在のところDirextX11関係は弱い、というのが明確ですね。
全部のベンチでほぼ一貫してるのはVRAMの使用量が抑えられていることです。
ドライバ管理であるDirectX11は効率重視になっている9070XTの設計思想なども相まってFPSが低下している、と考えるのが自然ですね。
これに関してはDirectX11に関するADRENALINEの最適化待ち、という感じがしますね。
それ次第でこれ多分かなり伸びると思います。
エーペックスレジェンズ
さて、ここからは実ゲームの比較です。
このゲームはAPIこそDirectX12ですが、どうも価格.comなどを見てもFPS落ちたと行った報告が目立ってました。
結果の方を確認していきましょう。

FPSは10%ほど低下しました。
特に1%LOWでの低下が激しく出ているという、なんかFF14とか15のベンチと似たような結果になっています。

VRAM使用量も3.5%ほどの低下となっています。
やはり全体に節約志向かな、という印象は多分に強いです。

メモリ使用量は26%ほどの上昇です。
しかしこのメモリ使用量の増加は特にパフォーマンスには結びついていません。
このことから考えるに、多分このゲームDX12を擬似的に使ってるDX11ゲームなんじゃないかなという感じですね。
パフォーマンスの落ち方がかなりFF14や15などのDirectX11と一緒の傾向になってますし。
こうなってくるとDirectX12のゲームであっても擬似的なものだと弱いという感じしますね。
もう少しメーカーもDirectX11の方にも目を向けてほしいものです。
ストリートファイター6
DirectX12の格ゲーです。
今回から簡略化のためワールドツアーの夜定点観測を排除し、ワールドツアーは昼のみの観測にしましたので、その点はご容赦ください。

FPSはほぼ誤差範囲内といってもいいですが、わずかに上昇しています。
特にバトルハブでの上昇幅がわずかとはいえあるのはいいことだと思います。

フレームタイムは1%LOWがわずかに上昇しましたが、平均は変わらず、最大は減っており安定したパフォーマンスとなっています。

VRAM使用量は約2%の減少です。
バトルハブではちょっと上がりましたが、対戦でのVRAMがかなり減少しており、それが平均値や最大値を下げた結果になりました。

メモリ使用量も1.5~2%ほどの減少となっています。
このことからもDirectX12のソフトに関してはパフォーマンスがかなり向上しているのが分かります。
ちょっとDirectX11置いてけぼり感強い印象ですね。
アーマード・コア6
DirectX12のラスタでのみ勝負するゲームですが、はたしてどうなったでしょうか。

FPSは2%ほど低下していました。
しかし2FPSの低下なので体感差はほとんどありません。

VRAM使用量はほぼ誤差範囲内です。

メモリ使用量は約5%の増加となっています。
しかしこれがパフォーマンスにはつながった感じはありません。
これについてはラスタでの能力差が出たかなという感じですね。
このゲームは補正機能が一切ないため、どうしてもパワー差での戦いになるところありますからね。
ただ結果はほぼ同じなので、ポテンシャルそのものが高いということはよくわかります。
今後のこの手のラスタゲームは定点観測が必要ですね。
FF16
このゲームはFSR4を用いることが可能になりましたので、それも併せて紹介していきます。

FPSは平均が10%向上した一方で1%LOWが24%の低下と少し極端な形になりました。
FSR4を入れると平均値は5%ほど下がりますが、1%LOWに変化はありません。
XTXと比べても平均値は増加しています。

VRAM使用量は増加しました。
まずは1%、FSR4をいれるとさらに1%増えるという形です。
しかし平均では14GB台に収まっています。

メモリ使用量は約17%の低下となりました。
FSR4を起動すると増加しますが、それでも7900XTXと比べて0.3GBほど低くなっています。
ADRENALINE25.9.1でFSR4最適化タイトルだっただけに優先的に最適化がすすめられたのがあるかもしれませんね。
パフォーマンスは大幅に上がっている感じありますね。
真・三國無双ORIGINS
こちらもFF16同様に今回のADRENALINEでFSR4正式対応となったタイトルです。
また、なぜか知らないけど9070XTにしたらフレームジェネレーションをいれることができたため、今回はこの結果も加味して計測しています。

FPSは平均、1%LOWともになんと13%も増加しました。
FSR4を入れると7~9%の減少となりますが、それでも7900XTXよりも増加しています。
フレームジェネレーションを入れると一気に平均が69%も上昇しました。
これでようやくこのゲームの本領が発揮されたと言えるでしょう。

VRAM使用量は増加しました。
ただ前にXTX計測時でも12GB台になったことを考えると、多分この数値が本来の正しい値なのだと思います。
FSR4やフレームジェネレーションを入れてもさほど差異は生じていません。

メモリ使用量はなんか極端です。
倍になったり60%以上落ちたりとあまり安定しませんでした。
これも最適化対象という感じですが、メモリについては少し気になりますね。
極端すぎる感じありますので、今後も定期的な観察が必要になりそうです。
サイバーパンク2077実プレー
最後の比較です。
今回から簡略化のため、アパートのみの移動を行っています。
また、このゲームはFSR4対応のため、それに対する検証も行っています。

FPSはレイトレを使った際の伸び率が凄まじく、FSR3.1同士だと26%の伸び率になりました。
FSR4を起動すると落ちますが、それでもXTXより高い値となっています。
一方でレイトレなしの場合だと4%ほどの伸びに収まり、FSR4起動で同じ9070XT同士でも7.5%ほど落ちてしまっています。
レイトレでは十分に遊べますが、レイトレなしだとFSR4では少し体験の度合いが落ちてしまうかもしれません。
レイトレ有無での差はXTXで47%あったものが、9070XTだと36%まで低下しています。

VRAM使用量は相変わらず高く、レイトレ使用時は1%、FSR4起動時で更に2%ほど増加しています。
レイトレなしでもそれは同様です。
レイトレ有無での差はほとんどありませんでした。

メモリ使用量はXTXが一番高く5GBクラスだったものが3.5GB以下に収まっています。
レイトレ有無での差はこれもほとんどありません。
やはりレイトレの強化は顕著に出ていますね。
一方でベンチモードとは違った結果になっているというのはありますけどね。
参考記録:モンハンワイルズ
今回はベンチと実ゲーム、両方回しました。
すべてFSR4での検証結果です。

FPSはベンチではすべて最高設定にすると119FPS出ますが、テクスチャ最高は高画質テクスチャをオプションで入れないとダメなので、いささか非現実的なところもあります。
テクスチャ高という通常状態にするとレイトレありで7%、レイトレなしで3.8%の伸び率になります。
一方実ゲームの場合だと12%ほど落ちますが、体感としては十分遊べる感じです。

VRAM使用量はベンチでのレイトレありが極端です。
ほぼ上限に張り付いています。
最高設定の場合レイトレを切ってもほぼ同様の値ですが、高設定だとレイトレを切ると一気に下がります。
一方で実ゲームのほうだと15GBを切っており、十分に遊べる重量級、というレベルまで落とし込むことが可能です。

メモリ使用量はとにかく食います。
最高の場合平均では10GB台ですが、レイトレいれると最大13GB、レイトレなしだと最高11.5GB近くになるなど重すぎます。
テクスチャを高にすると8GB台まで落とすことが可能です。
実ゲームの方は6GB台で済むなど、実ゲームのほうが最適化が上手く進行しているということが分かります。
さすがにモンハンワイルズは重いですね。
ただ前なら結構これだけメモリ食うとスタッターが発生していましたが、それが発生しないあたり、Infinity Cacheの強化が顕著に出た結果と言えます。
全平均
以上徹底比較していきました。
では、総まとめです。
今回は無双ORIGINSのフレームジェネレーションも加味して計算してみました。

全タイトルを平均してもXTXよりレイトレありで4%、レイトレなしで1%上がっています。
FSR4を入れると2~3%の低下となりましたが、フレームジェネレーションを入れることで一気にその差を埋めることが可能です。
フレームジェネレーションがあるタイトルはいれるに越したことはないでしょう。
レイトレ有無での開きは前は18%だったものが14%まで低下しています。

VRAM使用量はほぼ変化はありませんでした。
約1%ほどの差に収まっています。

メモリ使用量はほぼ同等から5%ほどの低下となっており、少し極端な感じです。
特にレイトレ無しでの低下率が顕著になっています。

ベンチマークだけFPSを抜き取った結果ですが、レイトレありでは2%の向上となりました。
しかしDirectX11での結果が伸び悩んだことでレイトレなしでは4%ほどの低下となっています。
またFSR4起動で3~4%の低下となっています。

VRAM使用量は約5%の低下となっています。
FSR4を起動すると1%ほど3.1より増えますが、それでもXTXより下の値です。

メモリ使用量はレイトレありで9~10%の増加となりました。
一方レイトレなしでは1.5%ほどの低下、FSR4起動でも10%以上の低下となっています。

ゲームを抜き取った結果ですと、FPSはレイトレあり、なしともに4.7~6.4%の向上となりました。
FSR4を起動すると下がるのは同様です。
一方でフレームジェネレーション有効にすると一気に通常のFSR4より6%以上向上しています。

VRAM使用量はXTXより3%の向上となりました。
FSR3.1と4だと誤差範囲内で、フレームジェネレーション入れてもそれは同様です。

メモリ使用量はXTXと比較すると8.5%ほどの低下となりますが、FSR4起動で9%ほどの上昇となります。
一方フレームジェネレーションを入れると7%ほどの低下となっているなど、いささか不安定さは拭えません。
結論
というわけでこれから導き出される結論はこれになります。

RDNA4恐るべし、ただし現状はDirectX12に限る、です。
DirectX12のゲームに関してはRAMの積極利用など徹底した最適化が計られています。
効率化重視の設計が見事にハマっており、ラスタでもXTXと同等、もしくは若干落ちる程度になっています。
一方FSRを用いるゲームの場合ですとそれもまた最適化が進んで明らかに伸びていることも分かります。
こうした補正の効くゲームに対してはとんでもなく強いです。
一方でDirectX11のゲームが軒並み低下してるのは正直かなり痛いです。
現状VRAMを一律で下げて効率化を測っている上に、全体を通してグラボそのものが効率化重視の設計のため、その思想ともあっていない結果だと思います。
これについては最適化パッチ待ち、って感じですね。
さすがに現状軽量級ゲームや移植されたゲームはDirectX11が多いので、さすがにメーカーも無視できないはずです。
もう少しDirectX11ゲームでVRAM使う設定になれば、多分この状況は改善されると思います。
とりあえず今後もドライバごとの定点観測は必要ですね。
最後に:今後の定点観測方針
今後はFSR4を標準とし、フレームジェネレーションを入れることができるようになった無双ではフレームジェネレーションを入れた観測を行います。
また、タイトルの入れ替えも実施いたします。
FF16を定点観測対象から外し、DirectX11の実ゲームとしてグラブル・リリンク、DirectX12のゲームでも重量級のラスタ枠にデモンエクスマキナ・タイタニックサイオン、DirectX12中量級最新技術枠としてホグワーツレガシーを追加枠としていれる予定です。
定点観測については今後も適宜入れ替えなどを行いながら強化した形で行っていきますので期待してお待ち下さい。
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