AFMF2徹底検証!FPSは上昇する、だがこれは無敵なのか?推奨、条件付き、NGゲームを比較する-解説編

RADEONについているフレームレート向上技術「AFMF2」について紹介していきます。
テーマとしては、はたしてこれは無敵の技術なのか、ということです。

結論から言うと、シングルプレイには強い味方、PvPや低フレームレートだと致命的、といった感じです。
使い分けが必要になるシステム、って感じですね。

仕組みとしてはドライバ単位でフレームレートを上げる、フレーム生成能力を持たないゲームやFSRに対応していないゲームのフレームレートを強制的に上げる、というシステムです。
FSRと異なりゲーム側での処理が必要ないため、対応してるAPIであればどのゲームでも処置が可能なのが魅力ですね。

対応しているAPIはDirectX11と12、Vulkan、そしてOpenGLの四種類。
最近NVIDIAが「SmoothMotion」という同じようなシステムを出してきましたが、こちらはOpenGLには対応していないため、より広範なソフトに対応しているのも大きな特徴です。
なお、対応しているグラボは6000番代以上、ボーダーレスウィンドウを使うなら7000番代以上が必要になるという点はご注意ください。

では、どういったゲームでこれは有効なのか、色々とゲームで実験してみましたので公開していきます。
ADRENALINEは25.9.1を使用しました。

実証に使用したPCはいつもの自作機ですが、今回から9070XTに本格的に切り替えた形となっています。

推奨タイトル

では比較を行っていきましょう。
まずは成功例からですね。

推奨例1:アーマード・コア6

典型的な事例です。
上のショートを見れば上限120FPSを突破してるのがわかるかと思います。
では、どれくらい伸びるのかというと…。

なんと74%も向上しています。
大幅にフレームレートが上がっているのがわかるかと思います。
こうしたラスタのみで補正無しのゲームに対しては非常に強い味方です。

次にこちらはフレームタイムを表したグラフですが、フレームタイムの平均も9.84msから5.66msと58%の減少になっています。
安定したラインを作れている、ということもわかるかと思います。

更にはスタッターも元々から異常に小さいゲームだったということもあってか非常に少ないです
平均0.14msだったのが、平均0.08msと57%に減少しました。
スパイクこそあるもののそれも小さい値で済んでおり、ほぼこれを使うのが前提のシステム、って感じですね。

一方でAFMFには弱点もあります。
それがVRAM使用量の増加、及び遅延です。

VRAM使用量ですが、AFMFを起動することで6%の向上となります。
これ事態は正直そこまで大した問題にはなりません。

むしろ問題は遅延です。
これがあるが故に全てのゲームで投入するわけにいかない大きな要因になります。
今回は平均7.53msと比較的小さな値ですが、気になる人は気になる数値かと思います。
ただフレームレートの高いモニターを使っている人だと違和感を覚えるかもしれませんが、ほとんどの人は体感できる数値ではありません。

よってこのゲームはAFMF2を使うべきゲーム、と言えるでしょう。
体感もかなり違いますので、オススメです。

推奨例2:モンスターハンターワールド

これもFSRなどがない割には重いゲームですので、比較的入れ甲斐のあるゲームです。

FPSは入れた結果85%の上昇となります。
このヌルヌル動く様は感動を覚えますよ、いやマジで。

フレームタイムのグラフも比較的きれいな線を描いているのが分かります。
平均12.9msだったものが6.99msまで減少し、減少幅54%となっています。

スタッターに至ってはなんと脅威の0にできました。
元から平均0.22msと小さくはありましたが、まさかここまで小さくなるとは思いませんでした。

で、肝心のVRAM使用量と遅延。
VRAMはこれも6%の上昇ですが、比較的微々たる差と言えるでしょう。

遅延の方は平均8.59msと、これもそこまで人は感知できる値ではないかと思います。
ラインもかなりきれいな線を描いています。

このようにある程度のフレームレートのあるゲームでフレーム補間のないゲームに対しては非常に有効な手段です。
ヌルヌル感はすごいので、結構体験する価値はあるかと思います。

条件次第例1:アリス・ギア・アイギス

続いて紹介するのは入れるにしても条件次第、というゲームたちです。
まずはアリスギアです。

なんで元々高フレームレートのこのゲーム? と思う人も多いでしょうが、実はアリスギアはマルチが強制的に60FPSになるというシステムの制約があります。
その限界を突破出来るのもAFMF2最大の魅力でもあります。
では、シングルまで含めてのFPSを見ていきましょう。

ご覧のようにマルチではFPSのアップ上限である2倍まで上昇しています。
他の高フレーム帯のロビーでも63%の伸び率になる一方で、単独戦闘は9%の上昇とわずかの上昇にとどまっています。

実際の映像がこちらです。
確かにマルチで120FPSを叩き出している、というのがわかると思います。
それも安定的に、というのが大きな特色ですね。

フレームタイムはこの様になっており、マルチは見事に半分に減っている上きれいな線を描いています。

ロビーも下の方になるなど効力としては十分です。

一方で戦闘については同じ条件で行ってもほとんど結果が変わらない、という形になりました。

では、何故このゲームが条件付きなのかといいますと、実はスタッターの発生頻度がかなり高いんです。
しかも肝心のマルチで。

平均のスタッターが最初1.01msだったのが7msまで上昇し、更にはこのグラフのように各所でスタッターが発生しています。
一瞬とはいえ20msを超えたり、ひどい場合だと35msを超えるなど、少し体感的にも分かってしまうような、そんな感じのスタッターが起きてしまうんですね。

一方のロビー。
こちらはスタッターのスパイクこそあれ、僅かではありますが減少しています。
というより数値で見るまでスタッターあったの? という疑問すら湧きました。

ちなみにそれは戦闘でも同様です。
これもスパイクはありますが、ほとんど体感できない形です。

なんでこんなにマルチに限ってスタッターが発生するかといえば、恐らく60FPS固定の中に強引にフレームを挟み込むことで破綻をきたしているから、だと思います。
そのこともあり、ちょっと入れるには躊躇せざるを得ない感じではありますね。

VRAMも何故か戦闘で異常に伸びている、というのが気がかりです。
ちょっとこの数値は気になる伸び方ではあります。

ちなみに遅延ですが、まずマルチは平均9.7msの遅延ですので、体感差としてはギリギリ、という感じです。

ロビーの遅延は6.14msが平均です。

戦闘の方も6.4msが平均な上、双方ともそこまで乱れていないことから、その点においては優秀です。

そのためこのゲームについてはスタッターと遅延をどこまで容認できるか、によって入れるか入れないかを決める感じになってくるかな、とは思います。

条件次第例2:ウマ娘プリティーダービー

このゲームも入れるのはかなり条件付きになります。

まずこれが比較した図なのですが、ご覧のように著しいまでにUIにゴーストが発生します。
また、肝心のキャラの方も、何か動きに違和感を感じるような形になっていることが分かります。
これはそもそもこのゲームのFPSが30FPS固定という非常に低いフレームレートで組まれていることが要因です。

また、これはライブ中の比較映像ですが、これも著しいまでに手の動きなどに違和感を感じるゴーストが出ている、というのがわかると思います。
ここまで来ると正直違和感を感じてしまう、というのが実情です。

FPSのグラフを見てみると実際にほぼ倍になっているというのがわかるかと思いますが、流石に固定30FPSの低値のものに対して入れると破綻する、というのがわかると思います。

フレームタイムはすごいきれいな線を描いているため、フレームレートそのものは安定している、というのはわかると思います。

それはライブの時も同様です。

で、スタッターですが、まずロビー。
ご覧のようにスタッターがメチャクチャ発生します。
これがゴーストの一因になっていると言ってもいいでしょう。
特に20msを超える場面もあるなど、正直感化できるレベルを超えてしまっている面もあります。

ライブの時も同様です。
通常のときはほとんどなかったスタッターがAFMFを起動すると40msクラスのスタッターが頻発する事態になります。
これがある意味では違和感の正体です。

VRAM使用量はロビーでは伸びましたが、何故かライブでは減っている、という妙な結果になりました。
しかし8GB台の消費と軽量ゲームにしては随分と食っていることがわかると思います。

で、遅延ですが、当然これも発生します。
元のフレームレートが低いこともあり、平均18.5msを超えるなど、正直違和感は拭えないです。

それはライブも同様ですので、口の動きが合わないなど、そうしたことにつながってくるおそれもあります。

このことからウマ娘は低フレームレート、しかもフレームレート固定式という条件を満たすとこうなるという典型的事例です。
キャラクターを含めたゴーストを許容できるならありですが、違和感を感じるならあまり入れないほうがいいかと思います。

条件次第例3:シティーズスカイライン2

このゲームはFSRに対応すると言っておきながらDLSSにしか対応していないという難点があります。
そのため擬似的にフレームレートを伸ばすならAFMFを使うしかRADEONにはありません。

こちらが比較映像になりますが、入れることで非常に都市の動きがヌルヌルするのがわかると思います。
しかし、同時に皆さん感じたことでしょう。
そう、このゲームUIにゴーストが発生するんです。

その理由として上げられるのが元のフレームレートが低すぎることです。
AFMFを入れてようやく80FPS近くになるなど、とにかくフレームレートがウマ娘同様に低い。

その上もう一つあるのが、UIが完全に固定式である、ということです。
2DUIなのでその動きについていけていないことが要因と考えられます。

一方でフレームタイムは非常にきれいになっていることが分かります。

更にはスタッター。
これもスパイクはありますが、それもAFMFを入れることで更に減少しており、ほとんどわかりません。

VRAMに関しては元から食っているのもありますが、4%の上昇と、今までに比べて上昇幅は小さめです。

遅延も確かに発生します。
若干違和感出るかもしれませんが、元々ストラテジーなので遅延を気にする方は少ないかと思います。

このようにこのゲームはUIのゴーストを許容できるならいれるべきですし、そうでないなら入れなくてもいいかな、という形ですね。

条件付きゲーム総括

これら三種類のゲームに共通しているのは元のフレームレートが低すぎる、ないしは固定ということです。
それに対して無理矢理に使うことで破綻をきたす、という結果になっています。
これに違和感を感じない、もしくは許容する、というなら入れても良し、ちょっとダメだなと思うなら入れないほうがいいでしょう。

NG例1:FF16

続いて紹介するのは入れるのがNGのタイトルたちです。
まずはFF16。

このゲームの場合、ネックになるのがフレームジェネレーションの存在です。
つまり、自分のソフトそのものでフレーム生成が可能、という点ですね。

FPSはネイティブとFSRを入れた場合だと一気に伸びますが、FSR4を入れてAFMFを入れると、理論値では180FPSを超えますが、実態は120FPSいかない程度に留まっています。
更にはフレームジェネレーション、AFMF双方を重ねがけした場合、両方にフレーム生成が発生してしまい、能力を引き出すということはできません。
結局のところフレームジェネレーションを用いるのが一番FPSが出る結果になりました。
このことから考えるにAFMFに対して何かのリミッターをかけているという可能性も考えられます。

フレームタイムで一番キレイなのはAFMFとフレームジェネレーションの重ねがけです。
しかし、先程も言ったようにフレームジェネレーションを入れるのが一番FPSが出るため、あまり意味がある感じにはなっていません。

で、問題なのがこれです。
そう、スタッター。
このようにネイティブにAFMFをかけたときのスタッター頻度がとんでもないんです。
実に平均で34msとかなりカクつきます。
正直最初計測ミスかと思ってもう一度計測してもこんな感じなので、流石にこれはちょっと、という感じです。

ちなみにほかの数値に関してはこのようにだいぶスタッターは減ります。
如何にこの組み合わせだけが異端なのか、ということがよく分かるかと思います。

VRAMについては元々から高い数値を出していることもあり、AFMFをつけると一気に跳ね上がります。
流石に15GB超えるのはいささか不安になりますね。

そして遅延。
10ms近くの遅延になることから敏感な人は気づくかと思います。

このように自分でフレーム生成機能、即ちフレームジェネレーションがついているゲームについては明確にNGラインです。
FSR単独ならばただ単にベースフレームが上がるだけなので推奨される組み合わせですが、二重にフレーム生成が発生する形ですと効力を発揮しないので、注意が必要です。
純正のフレーム生成機能があるならそれを使うのが一番いいといえるでしょう。

NG例2:エーペックスレジェンズ

平均FPSは1.5倍に伸びると非常に優秀です。

フレームタイムは両方きれいな直線になっており、AFMFを起動するとより小さくなっているなど魅力的です。

スタッターに至ってはなんと0にすることに成功しています。

VRAM使用量も何故か減少するという今までの感覚からは信じられない結果になりました。

ここまで来ると完璧じゃない? と、誰もが思うことでしょう。
しかし、このゲームには最大の弱点があります。
それはこのゲームのジャンルです。

PvP、つまり対人戦である上ハイスピード、とにかくFPSが重視されるこのゲーム。
ならFPSが上がるこの機能はいいのでは? と思うでしょうが、NGな理由はただ一つ、遅延です。

これがその遅延のグラフですが、このように約5msの遅延が発生します。
正直このジャンルにおける5msはかなり致命的です。
一瞬の遅延によって撃ち抜かれる可能性が高まります。

これは格ゲーにも同様のことが言えます。
ほんの1フレームの遅れが致命傷になる世界でやるにはあまりにもネックなラインになってしまう、というわけです。

即ちこうした競技性の高いゲームにおいてこの機能をつかうことは明確にNGであるといえるわけです。
これがこのゲームにいくら優秀な結果が出たとしてもオススメしない理由です。

まとめ

今回の結論はまさしくこれです。

もうこれでしょう。

本当に相性次第、という印象も多分にあります。
一律にすべて使うというわけではなく、ゲームによって使い分ける、というのがベストな使い方と言えるでしょう。

また、遅延に許容できないという方にはこの機能はあまりオススメ出来ないかな、という感じです。
ただほとんどの遅延が人間が感知できる遅延を下回っているため、それほど違和感は生じないと思います。

噂ではAFMF3が控えているという話も登ってきていますので、今後に期待したい技術ですね
RADEONを使っている方は、入れることを検討してみてください。
即ちテーマに戻すなら、無敵になれるかは今後次第、という形です。

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