さて、まぁいい感じにへこむ事案だったADRENALINE25.9.1ですが、はたしてこれはどういう方向を向いたアップデートなのか。
調査するには、そう、ベンチを実行しまくる、これしかないわけです。
結論から言うと

AMDは新時代にかじを切った、って感じです。
最適化方向性は完全に9000番代を向いており、7000番代は大きく割りを食ったアップデートでした。
ではそれぞれ検証していきます。
計測PCは相変わらずの自作機です。スペックは以下参照です。

今回も4k最高スペックで計測してあります。
AI関係:AMUSE
まずはAI関係
AMUSEを用いた画像生成の時間を見てみました。

やはりADRENALINEバージョンが上がるほど最適化が進行していきます。
Fastで8割、Balancedで73.8%の時間となっており、時間の短縮が行われている形です。Balancedの短縮がかなり行われている感じありますね。
サイバーパンク2077
まずはサイバーパンク2077。
最初はベンチです。
なお、ベンチもプレーも、レイトレウルトラ及びレイトレをオフにした際の結果からいきます。

FPSはレイトレありの時に1%LOWの落ち込みが約5%ありましたが、それ以外はほぼ変化なく横ばいです。
レイトレ有無で差は約84%と相変わらずFPSには開きがあります。

驚いたのはVRAM使用量。
なんと最大値でも14GBを超えません。
16GBのグラボで十分に賄えるという形になっています。
全体として約3~4%の削減です。
レイトレの有無でも10%上がる程度に収まっています。
前は16GBオーバーの代名詞だったこのゲームもここまで圧縮するかってなるのは正直驚きました。

メモリ使用量はレイトレありだと微減、レイトレなしだと微増という妙な結果になりました。
レイトレに今回最適化処理を施したのかもしれません。
差は平均も最大も2~6%前後です。
レイトレ有無での差は16%前後となり、かなり開いています。
一方の実機プレーは下記のとおりです。

FPSはほぼ横ばいで、変化量も誤差範囲内です。
そのこともあり、レイトレ有無での比較範囲も約80%の誤差のままになっています。

VRAM使用量はこれも低下傾向でした。
約4%の低下となっています。
レイトレ有無での比較範囲についてはほぼ変化はありませんでした。

メモリ使用量は5%ほど上昇しました。
ただレイトレ有無で差があるかと言われると、これの差は全くといっていいほどありません。
レイトレもかなり注意して強化している、という感じかもしれません。
メモリ周りの挙動はだいぶ違うなってデータ見て思いました。
しかし、ホントに軽くなったなぁ…。
黒神話悟空ベンチマーク

FPSは双方とも微減となり、約2%の減少となっております。
相変わらずレイトレ有無で差が大きく、平均で3.9倍、1%LOWでは4.2倍も差が出ています。

ここでも驚きなのがVRAM使用量。
なんとレイトレなしでは9GBを割りました。
レイトレありでも11GBにすら届かないなど、10%以上前バージョンから削減されています。

メモリ使用量も減少傾向です。
レイトレありのときが特に減少幅が大きく、約8%も減少しています。
どんどん軽くなっていきます。
4k最高設定でこれなのがホントに驚きです。
FF14ベンチマーク

FPSは1%LOWの向上が目立ちます。
約12%の上昇となりましたが、平均値は誤差範囲内です。

VRAM使用量は1.5%ほどの低下となっています。
場面ごとに計測しても10GBを超えることもありませんでした。

メモリ使用量はほぼ誤差範囲内で変化は見られません。

ベンチ内スコアはFPSの向上に伴い上昇しています。
約4.5%の上昇です。

レポート上のFPSは最小値の値が55%も向上していました。
1%LOWの向上が響いている形と言えます。
かなり安定したベンチと言えます。
DirectX11と古い規格ですが、FSRが効いている可能性が高いです。
FF15ベンチマーク

FPSは平均で約6%、1%LOWで8%とかなりの落ち込みがありました。
一方で釣りのシーンなどそこまでエフェクトがない場面ではそれほど落ち込みはありませんでした。

しかしこの状態にも関わらずVRAM使用量はは12%以上上昇しています。
全項目で12GB手前まで行っており、だいぶ重さを感じる結果になりました。

メモリ資料量はほぼ誤差範囲内で、4GB未満に収まっています。

スコアに関してはFPSの落ち込みもあり低下した結果になりました。
このようにFF15ベンチだけはベンチの中で唯一のVRAM悪化となりました。
いわゆるネイティブのみでDirectX11、かつ2018年産と古いことで最適化対象から除外されている可能性が考えられます。
しかしそれ以外のベンチは概ねVRAMの低下が目立つ結果になりました。
アリス・ギア・アイギス
UnityとOpenGLの合わせ技で動いているこの古いものがどうなったのか、見ていきましょう。

FPSは平均で約10%、1%LOWだと半分近くまで落ちています。
全体を通して落ち込みがだいぶ激しく、ラスタライズ性能もかなり落ちているという感じです。

VRAM使用量はついに5GB代に突入しました。
約5~7%の落ち込みとなります。

メモリ使用量も10%ほど低下しました。
しかし数値だけ見るとそれほど落ち込んでいるという感じではありません。
ラスタで勝負するゲームにはかなり厳しい結果になった、といえるかもしれませんね。
エーペックスレジェンズ
射撃練習場で撃ちまくってきました。

FPSは平均では1%の向上、1%LOWでも9.7%の向上となりました。
1%LOWのこの差はだいぶ大きいと思います。

VRAM使用量は大幅に低減しており、8GB台となって15%の低減となっています。

メモリ使用量もかなりの低下で4.7GB台から4.2GB台になり、10%の低下となっています。
FPSや性能が重視されるゲームですので、徹底的な最適化が計られている形跡がありますね。
しかしこれほどVRAM下がるってのは正直予想外でした。
ストリートファイター6
こちらもラスタのみのゲームですがどうなるでしょうか。

FPSはバトルハブでの落ち込みが顕著ですが、ワールドツアーや対戦での影響はほぼありません。
総合的には5%ほど平均値で落ちていますが、ほぼバトルハブでの落ち込みが要因と言えます。

フレームタイムは最大値での上昇が目立ちますが、平均値、つまり対戦している最中の状態はさほど変化がありません。
それどころか改善しており、このゲームに関してはより最適化された感じがあります。

VRAM使用量は3%~3.5%の低下となりました。
12GB代を相変わらず維持している形となります。

メモリ使用量は減少しており、約7.5%の低下となりました。
特に対戦中は1.8GB台になるなど、かなりの低下が見受けられます。
同じEスポーツ系であるからか、エーペックスと同様に安定したFPSを出す一方でVRAM、メモリの低下が起こっているのが分かります。
ここらへんはほぼ安定していると言ってもいいでしょう。
アーマード・コア6
これもラスタのみですが、シングルプレイメインのゲームでどうなるかをチェックです

平均FPSは約2.5%の低下となっている一方で、1%LOWは1.5%の上昇となっております。

VRAM使用量はついに10GBを切りました。
かつて11GBとかいってたのが嘘のようです。

メモリ使用量も低下です。
約4.5~5%の低下となっています。
Eスポーツではないラスタで勝負、それもシングルプレイのゲームだと如実にVRAM使えないことによる差が出ています。
実を言うと昔に計測したときより7FPS近く落ちてるんですよね。
かなりこれは割りを食った、といえるかもしれません。
FF16
このゲームは今回のADRENALINEでFSR4への変換トグルがあるゲームです。
まぁ、俺のにはなかったわけですが。

FPSはやはりFSR4への最適化対象だったからか向上しています。
一方で1%LOWは20%近く低下しているのはいささか気がかりです。

VRAM使用量は0.5%ほどの低下になりました。
相変わらず14GB近く使うことに変わりはなく、重量級ゲームと言えます。

メモリ使用量は増加しました。
約24%の上昇となっており、メモリも多少使うことでFPSが向上した可能性があります。
メモリ以外はさほど変化がないかな、っていう感じでしたが、これもご多分に漏れずVRAMは低下傾向です。
ここまででもだいぶADRENALINEのシステム管理方針変わってるなっていうのが分かってきますね。
真・三國無双ORIGINS
ついに大型DLCも発表になったこの作品ですが、FSR対応作品でもあります。
どうなったのか見ていきましょう。

FPSは約4.5%ほどの低下となりました。
1%LOWも3%近く低下しており、少々低下幅が今までのソフトより大きいです。

一方でVRAM使用量は10%以上の低下となっており、ついに10GB台に突入しました。
なお、一度これは高く出たために測り直した結果ですが、高く出ても12GBとなっており、それほどVRAMを食う仕様にはなってませんでした。

メモリ使用量は増加傾向です。
最大16%、平均28%の上昇となっています。
それでも2GBは超えないので軽い部類です。
これもメモリ使用量が増えています。
ただ場面によってメモリ使用量がだいぶ変わるなというのがデータからも見て取れます。
総比較
以上がADRENALINE25.9.1での結果になります。
では、全部の総合的な結果を見ていきましょう。

まずは総合的なFPSから。
レイトレあり・なしともに平均約4%、1%LOWで12~15%の低下となりました。
ただしレイトレ有無でのFPS差は17%しかなく、順当に差は低下している、という感じです。

VRAM使用量はやはり総合でも低下していました。
約4%低下しており、これはレイトレ有無に関わらず一緒です。
平均値だけを見ればレイトレがあってもなくても10GB台になっているなど、大幅に軽くなりました。

特異なのがメモリ使用量。
レイトレありでは1~2%の低下となっていますが、レイトレなしの場合1~2%上昇しています。
むしろレイトレなしの方が平均も最大も高いという妙な結果になっています。

ベンチマークだけに絞ったFPS結果も総合結果とほぼ同様ですが、こちらは1%LOWの値がほぼ誤差範囲内です。
平均は1%の低下となりました。
レイトレの有無でのFPSの開きは約48%となっています。

VRAM使用量も低下傾向にあり、約1.2%の低下です。
レイトレなしの場合1.8%ほどの低下となりました。
レイトレ有無での差については約0.5%開きが上昇した形になりました。

メモリ使用量はレイトレありだと低下しましたが、レイトレなしだと上昇しました。
特にレイトレありの場合4%の低下に関わらず、レイトレなしだと1.7%の上昇となっています。
総合結果とほぼ同一の動きと言えます。

ゲームを切り取った値を見ると、FPSはレイトレ有無問わず低下しています。
平均で約4.5%、1%LOWでは20%以上の低下となっています。
一方でレイトレ有無での差は6%台におさまっています。

VRAM使用量も低下しており、レイトレ有無問わず6%ほど低下しています。
レイトレありでも平均が10GB台に収まるなど、大きくVRAMは低下していることが分かります。
レイトレ有無での差も2%ほどしかありません。

メモリ使用量は約2%の上昇となっています。
レイトレ有無での差はほぼ誤差範囲内です。
総合的な結論
結論はずばりこれです。

ラスタでの勝負時代は終わりを告げ、AIによる補正が最優先の方向となる。
まさしく今回はそれを象徴する感じです。
FSRなどを使うタイトルが伸びる一方で、それがないタイトルは特に大きく数値が落ちています。
VRAM使用量の低下によって、XTXの強みであった24GBのVRAMを活かすことが全くできなくなっている感じに移行しています。
更に特異なのはメモリ使用量の増加です。
これから見るにAMDは今後はメモリも使っていこうという、NVIDIAと同じ方針に切り替えたともいえるかもしれません。
今回で確信に変わったのが、AMDはVRAMとコア数の暴力によるラスタでの勝負時代に見切りをつけ、AIを使ってなんぼの指針に切り替えつつある、っていう形です。
今後この方針が切り替わることはないでしょう。
特にFSR4が完全に9000番代限定になった今、7000番代の立ち位置は相当に厳しいものになっていると実感するには十分なデータになりました。
CPUも同様にRyzen AIなどNPUを用いたシステムをAMDは積極的に採用していることから、今後補正に関してはAI使って強固にする、という指針を持っていると見て間違いないです。
FPSなどだけの単純だった時代は終わりを告げつつあるのかもしれません。
というわけなんで、俺は!
9070XT買うこと決めました。
流石にこの状態だとね、切り替えざるを得ませんよ、いやマジで。
俺は3年周期でPC取り替えてますけど、今後を考えるとねぇ…って感じですね。
レイトレも強化されてるし、だいぶ早いけどもうXTXの未来は厳しいかなって思いましたね、ホントに。
ていうかね、もうね、買っちゃった。

9070XTのオーバークロックモデル、TAICHIを!


今度これについては速報ベンチ系やっていこうと思います。
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